【WinDVD 11機能解説】
第4回:自作DVDにありがちな手ぶれ映像を見やすく
ビデオ撮影でありがちな失敗の上位に入るのが、手ぶれの問題です。最近のカメラであれば強力な手ぶれ補正機能を持っているので、手持ち撮影でもなんとか視聴に耐えられるものになっていたりもするのですが、スマホでは手ぶれ補正機能がない場合も多く、ガタガタと揺れがち。三脚を使えばしっかりしたものが撮影できるのですが、ビデオカメラならともかく、スマホでの撮影に三脚まで用意するという人は、ほとんどいないでしょう。また、例え三脚を持っていたとしても、歩きながら撮影しているような映像では三脚は使えません。
揺れの激しい映像は、乗り物酔いをする人ですと、見ているだけで吐き気や頭痛を起こしてしまうことすらあります。しかし、せっかく友人や親戚がDVDに焼いてくれた映像であれば、見ないわけにはいかないもの。こんな揺れの激しい映像を少しでも見やすくしてくれるのが、『WinDVD Pro 11』に搭載されている“ビデオスタビライザー”機能です。
“ビデオスタビライザー”ってどういうもの?
カメラの手ぶれ補正機能には、大きく2つの方式があります。
ひとつはカメラの動きに合わせてレンズやセンサーを動かし、ブレを打ち消すのもの。カメラ側に機械的な仕組みが必要となるため高価になりますが、画質をほとんど落とさずに手ぶれを防げるのがメリットとなります。物理的に補正を行うため、「光学式」と呼ばれることが多いです。
もうひとつは、映像処理を行なうことで手振れを防ぐもの。これは、現在の画像と以前の画像とを比較してブレた部分を見つけ、ブレたぶんだけ画像を動かし、補正する機能です。
許容するブレのぶんだけ撮影範囲は狭まってしまいますが、機械的な仕組みがいらないため、廉価なコンデジなどへ搭載されています。こちらはソフト的な方法となるため、「電子式」と呼ばれることが多いです。
『WinDVD Pro 11』の“ビデオスタビライザー”は、この電子式の手ぶれ補正を再生時に行ない、不快な画面の揺れを軽減してくれる機能なのです。この機能は、“ツール”の“アドバンス設定”にある“ビデオエフェクト”タブから有効にできます。
設定数値が高いほど手ぶれ補正が強力に効くようになりますが、そのぶん映像の範囲も狭くなってしまう点には注意したいところ。
極端な例ですが、オフの場合と設定数値「1」、「100」の場合ではこのくらい範囲が変わってしまいます。
実際に試してみたところ、手持ち撮影の震えを消すくらいなら「20」くらいでも十分実用的でした。歩いているような大きな揺れですと「100」でも難しいですが、かなり軽減されることは確かです。
“モーションストリームライナー”で動きを滑らかに
もうひとつ、映像を見やすくしてくれる機能として“モーションストリームライナー”を紹介しておきましょう。
これは自動で物体の動きを認識し、間となるフレームを追加することで滑らかな動きにしてくれる機能で、とくに元の映像のフレームレートが低く、ガタガタと動くようなときに威力を発揮してくれます。
中間フレームを追加しているイメージカット
この機能はビデオスタビライザーと同じ“ビデオエフェクト”から有効化できますので、気になるときは使ってみるといいでしょう。
このように、元映像が多少見づらいものであっても、プレーヤー側の機能で見やすくできるというのが、『WinDVD Pro 11』の魅力ですね。
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