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T-RackS 3 Deluxe:詳細

曲全体のバランスを最終的に決定する、
極めて微妙なプロセス。

マスタリングとは、ミックスダウンしたステレオ・トラックの仕上げ作業であり、これがCD、映画その他のメディアのサウンドトラック、MP3ファイル等に書き込まれます。マスタリングの目的は、ミックスダウンしたステレオ・トラックにEQ、コンプレッサーやリミッターによる処理を加えることにより、そこから最大限のサウンド・クオリティを引き出すことにあります。

こうした処理は、ミックスダウンしたステレオ・トラック細部のあらゆるニュアンスを最大限に引き立たせることをねらいとしており、ミックスダウンに至るまでの音楽制作プロセスで追及されてきた理想を、さらに洗練することができるのです。

加えてマスタリングは、CDに収録された各曲のバランスを取り、スムーズな連続性を持つようにするためにも不可欠な作業です。マスタリングでは、できるだけ高品質なモニター・スピーカーを、音響特性の良い部屋で利用することが重要です。なぜなら、マスタリングは曲全体のバランスを最終的に決定する、極めて微妙なプロセスだからです。
マスタリング/ミキシング作業において、しばしば見過ごされがちなのが、作業をする部屋の音響という重要な要素です。多くの場合、モニター・スピーカーの性能以上に部屋の音響特性が問題となり、正確なモニタリング環境が得られない場合があります。吸音フォームなどによる音場トリートメントなども一つの手段ですが、最も手軽に、確実な補正を望む場合は、ARC Systemの導入をお勧めします。スタジオの音響上の問題がどのようなものであれ、そこで録音した音、ミックスした音、マスタリングした音が、一瞬にしてクリアで信頼性の高いものとなります。

透明で、超高品質なオーディオプロセッシング。

およそデジタル・プロセッサーであれば、すべてがマスタリング作業に十分な透明感とクオリティを持つものとお考えかも知れませんが、必ずしもそうとは限りません。最高の品質を得ることのできる技術を採用しない限り、 ゲインやEQの操作といった非常に一般的な操作だけでも、取り返しのつかない音質の劣化が引き起こされることがありますが、こうした技術はあまり一般的に利用されてはおりません。

 

T-RackS 3は、他のプラグインをはるかに超える驚異的な純度を備え、原音を忠実に保ったまま処理をします。著名マスタリング・スタジオで使用されているアナログ・イコライザー、デジタル・イコライザー専用機のサウンドをご存じであれば、T-RackS 3の品質と純度がこれに匹敵するものと、すぐにご理解頂けるでしょう。また、ご存じでない場合であっても、その高品位なプロセッシングの威力を実感していただけます。

完璧なオーバーサンプリング技術。

さらにT-RackS 3は、完璧なオーバーサンプリング技術を備えています。多くのデジタル・プロセッサーにおいて、音質向上のためのオーバーサンプリング技術が採用されています。残念ながらマスタリングにおいては、多くの場合、通常のサンプリング・レートと比べてそれほど大きな向上は見られず、逆に悪化している例さえ見受けられます。これは、アップサンプリングとダウンサンプリングが十分なクオリティで行われていないことが原因です。つまり、プロセッサーがサンプリング周波数を2倍にして処理することで向上するはずのクオリティが、適切でないアップサンプリングとダウンサンプリングにより部分的に相殺されてしまうのです。

理想的なオーバーサンプリングが実現可能な機器は現在のところわずかしか存在せず、その殆どが高価な専用機です。しかしT-RackS 3であれば、この理想的なオーバーサンプリングを実現可能です。IK Multimediaはこうした高性能マスタリング・ツールの提供を目指し、結果として全く音質劣化のない、完全に原音に忠実な処理を実現したのです。これにより、2倍のサンプリング・レートで動作し、かつ音質劣化のない類い希なプロセッサーと全く同じ品質の音を、お聞きいただくことができるでしょう。

マスタリングは、音楽制作の中でも最も熟練を要する仕事ですが、安心してください。豊富なプリセットの中から近そうなものを選ぶ。実際に機材を選ぶ感覚でモジュールを並べる。詳細なメーターを見ながらツマミを調整する。モジュール単位または全体に適用可能なバイパス、「コンペアー」機能を使って比較試聴を行う。そうした作業を繰り返していくうちに、驚くほどクオリティの高いマスターを仕上げることができるでしょう。

 

  • 伝説のFETコンプ&光学式コンプモデル(T-RackS 3 Singles)Open or Close

    Black 76 Limiting Amplifier

    Black 76 Limiting Amplifier

    オーディオ業界で最も良く知られ、使われ、求められているFETコンプレッサー/リミッター。プロの手による名盤でこの機種を使っていない作品を探すのは難しいといわれるモデル。Black 76 Limiting Amplifierは、その伝説的、歴史的なモデルを忠実にモデリングしたプラグインです。本当に、このFETコンプレッサーをデザインした人は天才だと思います。そこに投入された知見、魔法は、先見性のある天才のみが到達できるものだといえるでしょう。
     
    多くのリビジョンがあるこのモデルの中で、Black 76 Limiting Amplifierが参照したのは「LNバージョン、リビジョンE」です。インプット・トランスフォーマーとクラスAアウトプット・ステージの組み合わせによる独特のキャラクターが「76のサウンド」を感じさせ、最も人気の高いリビジョンになっているからです。
     
    ドラム、ドラム・サブ・ミックス、ボーカル、ベース、ギター、ピアノ、コーラス、ブラスからストリングスまで、このコンプレッサーは何にでも使えるでしょう。ただ通しただけでも、音楽的な「いい音」になってくれるからです。ボーカルに使った時に感じられる存在感、安定、明瞭度とパンチは、他の機種では代替えできないものがあります。ドラムなら、パワー、密度を高めながら、スナップのレベルも完全にコントロール可能。ギターに使ったときはまさに魔法のようで、独特の中音域の特性により「良く鳴り、歌う」音になります。Black 76 Limiting Amplifierには、ステレオ・リンクの他、M/Sモードも装備されているので、ミックス・バス、マスタリングでも活躍するプラグインになるでしょう。

    White 2A Leveling Amplifier

    White 2A Leveling Amplifier

    電子回路に頼らずに、蛍光パネル、フォトセルと真空管アンプの組み合わせによって動作する光学式コンプレッサー。White 2A Leveling Amplifierは、その中でも熱烈なファンの多い名機を忠実にモデリングしたプラグインです。光学式という方式そのものは珍しいものではありませんでしたが、伝説のフォトセル「T4A」など絶妙なパーツの組み合わせにより、魔法がおきました。
     
    当初は放送向けに開発されながら、すぐに音楽のレコーディング、ミックスの現場での人気が高まったこの名機。ボーカルの録音、ミックス時の必需品であるだけでなく、エレクトリック・ベース、アップライト・ベース、ピアノ、管楽器など、優しさ、暖かさと、安定したレベルが求められるトラックなら、いつでも役に立ってくれます。他の機種を代わりにすることなどありえないコンプレッサーの一つです。

  • 新しい、5つのプロセッサー(Deluxeのみに収録)Open or Close

    Vintage Tube Compressor/Limiter model 670

    Vintage Tube Compressor/Limiter model 670

    Based on Fairchild 670
    オーディオ/スタジオ業界において究極のコンプレッサー・リミッターと崇められる、Fairchild 670をベースにしています。全てのパラメーターが忠実に再現されており、コンディションの良い実機の細かなニュアンスまで極めて精緻にモデリングされています。実機のFairchild 670には、あらゆるサウンドに、より音楽的で情緒豊かな輝きを与える、まさに魔法とも言える力があります。本ユニットの開発では、そのありとあらゆる秘密が、数カ月にわたる分析作業で解明されました。

    Tube Program Equalizer model EQP-1A

    Tube Program Equalizer model EQP-1A

    Based on Pultec EQP 1A
    音楽的なサウンドが得られるイコライザーの最高峰として名高いPultec EQP 1A をベースにしています。最もPultec EQP 1Aらしさのある実機2台をモデリングし、オリジナルの持つ「あの音」を、実機と区別がつかないほどに、徹底した精度で再現しました。Tube Program Equalizer model EQP 1AはStereoまたはMSモードで動作します。

    Opto-Compressor

    Opto-Compressor

    Opto compressor

    光学式コンプレッサーには、独自の質感があり、近年、専門家にも称賛されています。 Opto Compressorは、ハイエンド光学式コンプレッサーの特徴である、極めて音楽的な「挙動」をアナログ・モデリングで忠実に再現したものです。ハードウェアの光学式コンプレッサーには、コンプレッション時に歪みや音質の変化が全く存在しないという特性がありますが、Opto Compressorでもこれと全く同じ特性を実現可能です。Opto CompressorはStereoまたはMSモードで動作します。

    Brickwall Limiter

    Brickwall Limiter

    Intelligent, Multi-Algorithm Brickwall Limiter

    Brickwall Limiterは、信号の躍動感を損なうことなくマスターの音圧を上げることが可能な、マルチ・アルゴリズム・マスタリング・リミッターです。このマスタリング・デジタル・リミッターは、最高の精度と透明度の高い処理を誇ります。また、各素材のタイプに合わせたアルゴリズムも選択可能です。

    Linear Phase EQ

    Linear Phase EQ

    High precision, high definition Linear Phase Equalizer

    マスタリングというデリケートな作業においても信頼できる高精度・高解像度リニアフェイズEQです。6つのバンドは完全に等しいパラメーターを備え、それぞれが全周波数帯をカバーします。さらにフィルター・タイプも自由に選択可能で、オーバーラップも自在に設定できます。フェイズ特性の切替(ミニマム/リニア)ができます。Linear Phase EqualizerはStereoまたはMSモードで動作します。

  • 定評ある、4つのT-RackSプロセッサー(Standard、Deluxeに収録)Open or Close

    Compressor

    Compressor

    Classic T-RackS Compressor

    T-RackSクラッシック・チューブ・コンプレッサーでは、マスタリングで定番として使用されるハイエンドなアナログ・ビンテージ機器がシミュレートされています。このユニットでは、名器として名高いハードウェア機器特有の、豊かで温かみのあるサウンドを得ることができます。このコンプレッサーは独自の特徴を持ち、非常に音楽的かつクリエイティブでありながら、高い柔軟性も備えています。

    Multi-band Limiter

    Multi-band Limiter

    Classic T-RackS Multi-band Limiter

    この3バンド・ピーク・リミッターは、不要なピーク・レベルを抑え、マスターの音圧をさらに向上させることができます。ピーク・リミッターは、3バンド (低域・中域・高域) 個別に動作します。クリップの無い非常に音圧の高いマスターを作成できますが、他のプロセッサーと同様、適用する効果が強くなりすぎないよう、注意が必要です。出力ノブを0 dBに設定すると、出力シグナルは-0.05 dBfs以下に制限されます。

    Soft Clipper

    Soft Clipper

    Classic T-RackS Clipper

    シグナルの平均レベルが下がる要因となるピークをすべてカットする必要がある場合には、このクリッピング・ステージ・モジュールが有効です。マスタリングでは、ピーク・クリッパーが頻繁に利用されますが、これはピーク・リミッターよりもピーク・クリッパーの方が、多くの場合より原音に忠実であるためです。

    Equalizer

    Equalizer

    Classic T-RackS Equalizer

    T-RackS Classic Equalizeは、マスタリング環境で最高の性能を発揮するように特別に設計された、高品位な6バンドEQで構成されています。EQの構成は、4ポール・ハイパス・フィルター (16Hz~5.3kHz)/Lowシェルビング・フィルター (30Hz~200Hz)/Low-midピーク・フィルター (33Hz~5.4kHz 可変式帯域幅)/High-midピーク・フィルター (200Hz~17.5kHz 可変式帯域幅)/Highシェルビング・フィルター (750Hz~8.5kHz)/4ポール・ローパス・フィルター (200Hz~18kHz)の6通りです。

  • メーター、ダブルチェイン、スタンドアローンOpen or Close

    メーター・セクション

    メーター・セクション

    T-RackS 3 Meter Section
    T-RackS 3には、新たに開発された高品質・高精度の本格的なメーター・セクションが搭載されています。
    ズーム3段階切替機能と精確なサンプル表示機能、そしてデジタル「Over」ランプ表示付きの精密なピーク・メーターを搭載
    Real Perceived Loudness(知覚ラウドネス)メーター
    馴染み深いジャンルのオプションからスタイルを選択できる、アドバイス機能付きのフェイズ・スコープが搭載
    コアレイション・メーター(LR相関係数)表示
    スペクトラムアナライザー(ピーク/RMS/アベレージ)

    RMSメーター:LoudnessとRMSメーターの計測値により、ジャンルやスタイルを選択して「最適」ゾーンを表示させることが可能

    ダブル・チェイン

    ダブル・チェイン

    T-RackS 3 Double Chain

    T-RackS 3 Double Chainでは、パラレル/シリアル接続で計12個のプロセッサーをインサートすることができます。このシグナルチェインは固定となり、各チャンネル4個ずつのパラレル・プロセッサー (A/B) と、それに続く4つのシリアル・プロセッサーで構成されています。これらのプロセッサー・スロットには、前段のパラレル部ではAとBそれぞれに1~4の番号が付けられており、後段の4つのシリアル・プロセッサーには5~8の番号が付けられています。12個ある各スロットには、いずれのT-RackSプロセッサーをインサートすることも可能です。

    スタンドアローン

    スタンドアローン

    T-RackS 3 Standalone Mode

    T-Racks 3のスタンドアローンは、ホストアプリケーションを必要としない、T-Racks 3 そのものをアプリケーションとして起動するモードです。スタンドアローン・モードでは、T-Racks 3は完全なマスタリング処理を行う専用ステーションとして機能します。複数のファイルを一度に読み込み、T-Racksエフェクトプロセッサーを様々に組み合わせて使用したり、フェードイン/フェードアウトも適用できます。
     
    またスナップショット機能を使って、曲の途中でエフェクトチェーンの設定を変更することも可能です。ループ・ポイントを設定して、曲中の特定のパートを繰り返しながら、細かなディティールまで完璧に仕上げることができるのです。これらの機能は、T-Racks上に表示されるオーディオファイルの波形に対してダイレクトに適用できます。表示はズームイン/アウトが可能です。すべての作業が完了したらプロセスボタンを押して、トラックをファイルに書き出しましょう。アルバム一枚分のトラックでも一度に処理することができ、CDからオンライン向けメディアまで、多様なクオリティのファイルを書き出すことができます。