更新:2016.6.02
園田浩二の Poser 11 ファーストインプレッション 第5回メジャー&テキストプロップ
3DCGとCADの違いを一昔前まではクライアントに説明していましたが、最近ではその用途の差は、両者が歩み寄ることで無くなって来ています。レンダリング主体だった3DCGのソフトには、CADライクな寸法入力が搭載されるようになり、設計主体だったCADにはレンダラーが搭載され、フォトリアルな画像も生成できるようになりました。 まだ専用ソフトならではのアドバンテージはあるものの、ある程度のことは一本のソフトでこなせるようになってきました。
しかし、まさか人体などの生物的な柔らかいものを扱うPoserに、寸法表示の機能が搭載されるとは思っていなかった方も多いのではと思います。今回、Pro版で作成可能、Std版で再生可能な機能として、メジュー&テキストプロップが搭載されました。絶対スケールへの対応と同様、寸法表示に関する機能ですが…。
実際に操作してみると、人体作成ソフトにも必要な機能だったんだなと思い知らされますね。使い方に少しコツが必要な部分がありましたので、注意点を説明してみることにしましょう。
メジャーの使い方
メジャーはオブジェクトメニューの測定の作成からラインやアングルなどのタイプを選ぶか、 図形ウインドウ下のメジャーアイコン から選択して使います。
ラインなどの距離の場合
ラインを選択後に、測定したい短点をタイプに応じた順番でクリックして、設定します。メジャーだと思って、距離をドラッグすると失敗します。
<ドールや地面などオブジェクトの上をクリックして利用します。2点クリックすると寸法が表示されます。>
寸法線が描画された後に端点を掴むと、マウスカーソルが二重丸になって、端点を移動できるようになります。後から微調整してください。
上の引き出し線の根元にハンドルがあります。股の中央に右肩から移動してみました。 リアルタイムに寸法が変化します。
単位はデフォルトだとフィートになっていますが、環境設定メニューから単位系をメートル系に変更できます。
クリックする位置に注意
スナップさせた位置によっては寸法線に角度が付いてしまう場合がありますが、その時はプロパティからアラインを選ぶとXYZの平面に沿わせることができます。
また、最初に背景をクリックしてしまうとあらぬ所にスナップして寸法線がどこかに行ってしまうように感じます。
Poser11から背景もグローバルイルミネーション用のドーム状のオブジェクトに変更されていますので、背景をクリックするとそこからの距離を表示しているようです。
まず地面やドールなどオブジェクトがある所をクリックしましょう。
リアルタイムの寸法表示
一度スナップすると、ドールをしゃがませたり、ジャンプさせても、その距離や回転角度をリアウタイムに表示するようになります。
ラインは、何箇所でも作成することができます。 3Dプリントの最にサービスビューローに寸法指定をしたりするのにも利用できますね。
●アングル(角度表示)使い方
アングルは、回転中心を先にクリックしがちですが、アングル指示線を一筆書きするように、対象A⇨回転中心⇨対象Bとクリックしないと失敗します。 アークの寸法表示の位置も指示線上をクリックすることで調整できます。
オブジェクトの位置を変えるとアングルもリアルタイムに変更されますが、寸法変更全般にその距離に応じて文字表示が変更されますので、アークの位置を内外に変更してやると文字表示の大きさを変更することができます。
メジャー全般の機能は、オブジェクト間の距離を測って配置したり、可動範囲の説明したりと色んな用途に使えそうですが、メジャーはプレビューだけでレンダリングには反映しないようです。レンダリングに反映させるにはテキストプロップを使う必要があります。
テキストプロップ
テキストプロップは用語説明などに使用出来る便利な立体文字ツールです。 オブジェクトのてキストプロップを選択すると、文字ダイアログが表示されますので、そこに文字入力して使用します。
テキストプロップは残念ながら日本語フォントが一部使えません。 文字ボックスに変換されてしまいますので、文字表示には英語を利用することを検討する必要があります。
文字は平面なのですが、カメラアングルに応じてパースが付きます。 メジャーと同様に、XYZの平面に文字を沿わせる時には、テキストプロップのプロパティから平面を選んでください。文字サイズもポイント指定やウエイト指定ではありませんが、スケールとして大きさを変更できるようになっています。
ただこれだけではメジャーツール同様、図形ウインドウにプレビューとして表示されるだけです。レンダリング画像にも文字を表示させるためには、オブジェクトプロパティのレイトレースで~と書いてあるチェックボックスをオンにする必要があります。
172cmの文字はてキストプロップで作成したものです。 右側のオブッジェクトプロパティで大きさやアラインする面、回転、大きさを変更できます。 またオブジェクトですので好きな位置にドラッグして配置することが可能です。
利用法としてはStd版でも表示だけはできるようになっていますので、ファイルを渡した時の打ち合わせ用途等に使えそうですが、それ以外にも立体イラストや説明アニメーション等にアイデア次第で用途は拡がりそうですね。
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