更新:2016.6.22
園田浩二の Poser 11 ファーストインプレッション 最終回アニメーションで判るパフォーマンス
Poser 11になって
まだまだ消化不良なところもありますが、8回に渡ったファーストインプレッションも今回で終わりです。
歴代のPoserのアップグレード内容から言うと、よく使う基本操作のUIに改良を加えている事で、深い部分の機能を使わない方にも変化を感じる事ができるバージョンになっていると思います。
レンダリングの処理中断がescキーに割り当てられていて、表のUIに現れていないところなど、初心者に優しくない部分も若干あるのですが、それでもこの手のソフトで、マニュアルを見ずにそこそこ使えるようになると言う点では、圧倒的に理解しやすいソフトと言えるでしょう。
そのままでも十分なクオリティの形状ですが、こだわる方なら3Dスカルプトソフトと併用すれば、ほぼ不満はないレベルまで加工可能な形状が、沢山収録されている点だけでも、コストに見合ったソフトになっていると思います。長年付き合っているユーザーとしては、今後はより高品質な形状とモーフに注力して欲しいと思うところもありますが...。
アニメーションについて
ここで前の7回でアニメーションについて全く触れていない事に気づいたので、最後に少し触れておきたいと思います。
今回、モーフブラシの編集にカーブ編集が追加されたり、ハンドルが自分で作れたりと、アニメ編集にも便利な機能が足されたのは、カスタムパレットの項でもお伝えしましたが、それらの改良はジョイントハンドルのバンド化にしろ、基本操作がよりスムーズにできるように追加されたもので、その結果アニメーションにも効果があると言ったものでした。
実のところ、アニメーションにはウォークデザイナーやトークデザイナー以降そんなに大きな改良は加えられていません。
そこで少し心配になったのが、プレビューその他の高画質化によるアニメーションプレビューの速度が遅くなったのではと言う点です。
その処理時間に注目して、機能の紹介を兼ねてレビューしてみましょう。
ウォークデザイナーの変更点
ウォークデザイナーはフィギュアメニューから歩行パスを選択し、パスを編集後にウインドウメニューから選択して利用します。
従来のウォークデザイナー自体には、ドールを変更すると、ドールのタイプを選ぶ必要があったのですが、訊かれなくなりました。その代り、歩行デザイナーを選択すると現れるプログレスバーの進行速度がやけに遅くなった気がしていたのですが、どうやら起動する間に主要ドールのライブラリをすべて読み込んでいるようです。手間は省かれましたが、速度的にはドールが増えた分、待ち時間が増えたのは少し残念ですね。
ただし、一度起動してしまうと、次回以降はアプリケーションを終了しない限りすぐに使えるようになりましたので、初回起動だけじっと我慢と言うことのようです。
<ウォークデザイナーにはブレンド可能な動きのパラメータスライダーが沢山あります。走りと顔と腰の振りをブレンドしている画面です>
設定するとすぐに本形状に反映されて、再生ボタンで歩き出すのですが、プレビューのドロップシャドーが散らつくのが気になりますが、そのままの画質で動きます。
<従来と変わり無い速度でプレビューできる>
形状が重すぎてフレーム間が跳ぶ場合のフレームスキップのスイッチも付いていますので、細かな動作も確認可能でした。
ただドールの種類によるのか、再生ボタンのホットスポットが狭すぎるのか、時折プレビューのスタートまで時間がかかる事もありました。スタートすれば当たり前に動くので、メモリ管理の方法が変わっているのかも知れませんね。
全体を振り返って
従来のグレードアップ幅から考えると、お買い得感もあり、10年近く価格を大幅には変えていない点を考慮すると、今から始める方にも、お勧めできるバージョンだと思います。深くも浅くも使える市販ソフトの安心感は、老舗ならではですし、安定もしています。
個人的には、呼吸をサポートして欲しいだとか、欲求はきりがないのですが、全てをオリジナルで作る大変さを考えると満足度は高いソフトであるのには変わりありません。
より高い品質を望む方にも、ベースモデルとしての利用価値がある製品だと思います。気になった方はぜひ触ってみてください。
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Poser 11
3Dキャラクターアニメーションやイラストを作成するデジタルアーティストの秘密兵器。
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