【園田浩二のPainterいつ始めるの? 今でしょ。】
第3回 わかりやすいインターフェイス
連載開始当初、Painter 12とShadeとの連携を切り口にということでスタートさせましたが、どちらのソフトも未体験という方からの要望もあり、今回は、もう少しやさしくペイントソフトとしての基本の部分からご紹介します。
まずPainter 12を起動してみると、フォトレタッチソフトと同じようなアイコンが沢山並んでいますが、一番違う点として最初に気がつくのは、混色パレットも含めたブラシの部分です。
豊富なブラシ類
特に、今回リアルウォーターペイント関連のブラシが増えているので、その膨大な量に、以前使ったブラシがどこにあったのか探しまわる必要があるのかと思っていましたが...
各ブラシには筆の種類がアイコンとして並んでいます。よくあるスケールの違いから使用感がよくわからない筆跡のサムネイルだけではなく、水彩のブラシなのか、アクリルペイントなのかなどの画材の違いとして分類整理されていて、最近使ったブラシがリストに並ぶようになっています。
このリストはブラシパレットを閉じても、ツールバーの右に同じものが表示されています。ブラシを数種しか使わない場合、切り替える度に、数ステップ前のブラシ設定をいちいち呼び出したり、覚えていなくても良いのでブラシの切り換えがとても楽に感じます。
リアルウォーターペイントの滲みと被覆力の表現も凄いですね。
じわじわと滲むので、途中で止めたり調整もしやすく、アナログでは不可能な滲み過ぎた部分を消すと言うのも、消しゴムで簡単に調整可能です。
しかも水彩レイヤーを複数使えば、混色後の特定色に対して部分的な色消しも可能です。アンドゥ(操作の取り消し)の繰り返しとはまた違った調整もできるのは便利ですね。
また、キーコンビネーションやショートカットで、キャンバス上でブラシサイズを直接ドラッグ調整ができるようになっているのも便利です。
それらのキーの組み合わせを忘れたしても、今触っているツールで調整できる項目が、デスクトップ上のツールバーのいつも同じ場所に現れるので、ステップ数ではなく、連続量でスライダ調整できます。パレットの位置を覚えなくてもいいので、操作に迷いも生じにくいですね。
Painterのユーザーインターフェースの設計思想というのは、デジタルとアナログの両方の長所を人間にわかりやすいように提供することを念頭に置いているような気がします。調色のカラーパレットも三種あって、数値とカラーホイールによるカラー、混色パレットのシミュレーションに重きを置いたミキサー、そしてカラーセットライブラリが、同じパレットのタブに位置を変えずに存在します。タブの位置で常時使う調色ツールを表に出しておけるのもいいですね。
テキストツール
ツールバーでの調整は、テキストの扱いでも同様です。
インライン変換が英語のみで、日本語は変換ダイアログが1クッションあること、DTPのソフトのように1文字づつの設定変更ができないのが少し残念な気もしますが、入力確定後でも、文字レイヤーとテキストツールが選ばれてさえいれば、いつでも文字設定を変更可能です。新たに文字列を選択する必要もなく、ツールバーのサイズスライダで、文字ポイント数をステップ選択ではなく連続量で変更できたり、書体変更、色変更、シャドウの有無など、文字に関することは、すべてツールバーのブラシ調整と同じところから、いつでも調整できます。
皆さんは、ちょうどのワイドに文章を入れられなくて困ったことはありませんか?中途半端な大きさで文字列を入力し、後でサイズを変更してポイント数に小数点以下の端数を入力するくらいなら、最初からズルズルとスライダで大きさ変更したいですよね。
限られたワイドに文章を納める場合に、文字ブロックを設定していなくても、スライダで調整できるのは、少量のキャッチコピーやタイトルなどを入れる場合には、感覚的で便利な気がします。
テキストのシステムパレットと、ソフトのテキスト設定が別だったりすることが無いので、初心者にも判りやすいでしょう。
Painter12は、マニュアルを読まなくても、操作を繰り返しているうちに、自然と使い方がわかって来る配慮があるように思います。
やさしさや楽しさを追求するあまり、必要なツールやコマンドを表から隠してしまうようなこともなく、全てが見えていて、見るところ、触るところはいつも同じと言うのが使いやすい理由でしょう。
来週は、構図に関する便利機能をお伝えします。
お楽しみに。
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デジタルアートソフトウェアの最高峰
Painter 12
- パフォーマンスの改善
- 描画ブラシがマルチコアCPUに対応
- 拡大/縮小/回転時の画質が向上
- インターフェース、デザインを一新