【WinDVD 11機能解説】
第1回:アップスケール再生でDVDをキレイに見よう
登場当時は画質がキレイといわれていたDVDも、フルHDが当たり前となってきたテレビ、パソコンのディスプレーで見てしまうと、どうしても細部の粗が気になってしまいます。不思議なもので、一度気になり始めるとなかなか忘れられず、せっかく映画を見ているというのに内容に集中できない、なんてこともあるわけです。
そもそも、なぜDVDは画質が悪く見えてしまうのでしょうか。
理由はいくつかありますが、一番の原因となっているのが、拡大表示していることにあります。元々DVDで使われている映像の解像度は720×480ドット程度なのですが、フルHDは1920×1080ドット。つまり、フルHDの画面でDVDを見ると、4倍以上にも引き伸ばしてしまうのです。いくら表示する画面が高解像度でも、元となる映像の解像度が低いのですから全体的にボケた印象となり、画質がイマイチに感じてしまうわけです。
ブルーレイの画質(イメージ) | DVDでの画質(イメージ) |
とはいえ、画質が気になるという理由だけで、手持ちのDVDをフルHDのブルーレイへと買い替えるというのは、現実的な話ではありません。こんな時に試してもらいたいのが、『WinDVD Pro 11』に搭載されている“ビデオアップスケーラー”です。
“ビデオアップスケーラー”ってナニ?
先ほども書きましたが、画質が悪く見えてしまう原因は細部のボケ。それなら、ボケを除去し、シャープな映像にすればキレイに見えるのではないか、と考えるのはごく当たり前の事です。この複雑な処理を行ない、単純に拡大表示した映像よりも格段にキレイな映像で再生してくれるのが、“ビデオアップスケーラー”機能なのです。
いろいろと解説するよりも、実際の映像を見たほうが早いでしょう。まずは設定画面で“ビデオアップスケーラー”を有効にします。
設定数値が高いほど映像はシャープになりますが、中間色が潰れたり、ノイズが目立つようになってしまうので注意が必要です。まずは、設定値に「50」を入れた場合の画質比較です。
全体的にややノイズが目立っていますが、桜の花びらや花弁部分に注目してみると、驚くほどシャープになっていることがわかります。さらに設定値を高くして、「80」にしてみましょう。
先ほどよりさらにクッキリとしてはいますが、さすがにこれはやり過ぎ。中間色も飛んでしまっていて、むしろ画質が劣化しています。逆に今度は低く、「20」くらいに落としてみます。
「50」の時ほどシャープではありませんが、全体的にクッキリとし、ノイズもあまり目立ちません。この映像では、20で視聴するのがよさそうですね。数値は映像シーンによって最適な値が変わってきてしまうので設定が難しいですが、おおよそ20~50の間にしておけば問題なさそうです。
古いほど効果がある!?モノクロ映画もクッキリ
手元のDVDをいくつか視聴してみたところ、高画質化の効果が高かったのは古い映画です。とくにモノクロ映画は元の画質が低いことが多いだけに、おどろくほどの効果がありました。昔を思い出しながら、懐かしい映画を高画質で楽しんでみてはいかがでしょうか?
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